白タクとは、営業許可をとっていない違法のタクシーをいいます。タクシー業として国から許可を得たタクシーは緑のナンバープレートをつけているのに対し、無許可のタクシーは白色のナンバーをつけていることから「白タク」という名称で呼ばれています。通常のタクシーより安い料金で乗車できるため、違法と分かっていても進んで利用される方もいるようです。もちろんぼったくりのような行為をする悪質な白タクもいて、京都は市をあげて白タクの排除活動をしています。
白タクは送迎サービスを提供するかわりに、その報酬としてお金を徴収する行為です。一般的なタクシーは「道路運送法」に基づき営業しているので、許可のない白タクで乗客からお金を取るのは犯罪であり、見つかると逮捕されます。犯罪者になってしまうと家族やまわりに迷惑をかけることにもなり、ドライバーとして復帰するのは難しくなるでしょう。
乗客のいのちを預かるタクシードライバーは、クリーンな環境で働くことがもっとも大切です。「第二種免許をとるのが面倒」「会社にマージンを取られたくない」など、どんな理由があったとしても決して白タク営業はしてはいけません。もし違反した場合は「3年以下の懲役、または300万円以下の罰金」が課せられます。
近年の白タクはアプリを利用して乗客とやりとりができ、料金の支払いもアプリ内で完結されるので検挙がむずかしいというのが現状です。また一定の顧客とは携帯で直接やりとりをするため、現場を取り押さえたとしても「友人を乗せただけ」と言われれば警察は何もできません。それが、白タクがなかなか減らない原因ともいえます。白タクの顧客は、もし警察にみつかっても捕まるのは運転手だけということもあり、利用する人があとを絶ちません。警察や中国総領事館も白タクを利用しないよう呼びかけていますがあまり効果がなく、白タクの増加が問題になっています。
京都では白タクの排除活動が盛んに行われています。警察によって検挙された事例を3件ご紹介しますので、タクシー運転手への転職を考えている方はぜひ読んでみてください。近年ではとくに中国人観光客をターゲットにした事件が多く検挙されています。
無許可でタクシー業を営んでいたとして、京都府警は自営業の高田司容疑者と、同じく自営業の鈴木健二容疑者を逮捕しました。二人は昨年の夏3回にわたり、京都府東山区のキャバクラ店の女性3人からお金を徴収し運んだとされています。府警の調べでは、高田容疑者が主犯となり複数のドライバーを雇って違法行為を行っていたようで、年間1千万円近くの売り上げがあったとみています。さらに祇園・木屋町地区にある7軒の風俗店への送迎も請け負っていたようで、その売り上げが暴力団の資金源になっていた疑いもあり捜査しています。
京都府警は、2019年8月に中国人観光客をターゲットとした無許可のタクシー営業で、京都市伏見区小栗栖中山田町に住む中国籍の男を逮捕しました。同年の7月に中国人の観光客30名をワゴン車に乗せ、京都市内の観光施設やホテルの送迎などを行い料金を受け取っています。容疑者は一部容疑を否認しており、「何回かはお金をもらったが、友人を乗せただけだ」と供述しているようです。京都府警は7月末に同じ道路運送法違反の容疑で、別の中国籍の男性も逮捕。二人の関係について調べが進んでいます。
中国人観光客にむけて無許可でタクシー営業を行ったとして、警視庁交通捜査課は中国籍の男女4人を逮捕しました。調べによると、容疑者は約50名のドライバーの指示役として、年間1億円ほどの売り上げがあったとしています。送迎や配車はアプリを介して行われていて、「微信」という通信アプリで国内の中国人らをドライバーとして集め連絡をとっていたようです。乗客らの依頼は羽田空港から都内の宿泊施設への送迎がほとんどで、料金は6000円〜9000円程度。ほかにも神奈川や箱根、軽井沢などの観光名所へも運んでおり、受注ノートには昨年8月の1ヶ月で960件を上回る依頼があったと記録されていました。容疑者は「一切関わっていない」と容疑を否認しています。
白タクは違法行為なので、給料も歩合もありません。乗客との交渉により自分の言い値で料金がもらえます。国から許可を得ているタクシー会社に勤務するより手取り収入が増えるため、目先のお金に惹かれて白タクの道に進んでしまう方もいます。しかしあくまでも違法行為という点を忘れてはいけません。逮捕されると家族や友人を悲しませる結果になりますし、何よりご自身の経歴に傷がついてしまいます。
十分な収入を得て堂々と生活していくためには、営業許可をもらっているタクシー会社に勤めることが大切です。タクシー会社はほとんどが歩合制なので、ご自身の頑張り次第では高収入も夢ではありません。
今後外国人観光客が増えるにあたり、電車や車の混雑とタクシー不足が懸念されています。その解決策のひとつとして考えられているのが「ライドシェアサービス」です。ライドシェアサービスとは、ライドシェア会社を通して同じ目的地に移動したい人同士を結びつけ、相乗りすることで移動費もろもろを割り勘するシステム。
現在日本では、ライドシェアサービスも白タクにあたる違法行為とされていますが、国を挙げたイベント開催に向けて全国でライドシェア導入を試みる様々な取組みが広がっています。
ライドシェアサービスが合法化されて仕組みが整えば、現在起きている白タク事故の保険問題やぼったくり問題も解消される可能性があります。ただし、タクシー業界におけるダメージも予想されるので、今後本当に導入されるかどうか注目していきましょう。
白タク解禁の恩恵を受けるのは、主に外国人観光客や過疎地などに住む高齢者でしょう。人口が少ない地域はマイカー保有率が高いため、タクシーの数も限られており、バスの運行も1時間に1本ということもざらです。ライドシェアサービスが解禁されれば、世界中から来日する観光客がタクシーやバスが少ない遠隔地にも移動しやすくなるため、今以上の観光客増加や地域の活性化が見込めます。また、タクシーの需要が高くタクシー運転手が休みを取りにくい日(雨の日やイベントがある日など)にもライドシェアサービスが稼働すれば、今後タクシー運転手が休みを取りやすくなる可能性もあります。
白タク解禁によって安く相乗りできるシステムが確立されれば、タクシー業界にとって大きな痛手となります。また、タクシードライバーよりも運転能力が低いドライバーが増え、交通事故が増える可能性も。すべてのタクシー運転手は第1種免許を取得して3年以上経過している人しか取得できない「第2種運天免許」を保有しているため、少なくとも3年以上は運転経験があります。
しかし、白タクが解禁されれば免許を取得したばかりの人でもライドシェアサービスを利用できるように。プロの運転ではなくあくまでも「相乗り」のスタンスなので、事故以外にもさまざまなトラブルが増える可能性があるでしょう。
京都では外国人観光客をターゲットとした白タクドライバーが増えています。海外ではライドシェアサービスを導入している国が多いため、外国人旅行客は「違法・合法」を見極めにくいのが現状。そこにつけこんだ白タクが増えているのです。最近はとくに中国人・韓国人旅行客をターゲットとした白タクが多い傾向にあります。
京都府警は国土交通省などと協力して、英語や中国語のビラを配布し白タク排除に取り組み中。国交省旅客課は「白タクの調査を進め、運転手のブラックリストをつくるなど実態の把握に努めたい」と発表しています。検挙がむずかしい白タク問題ですが、京都は前向きに白タク排除運動を実施中です。
2019年10月、関西国際空港において大規模な白タク排除のキャンペーンが実施されました。この時期は中国の国慶節という大型連休があり、大勢の観光客が予想されたため、白タクが違法で危険ということを知ってもらうための取り組みを行ったのです。国土交通省近畿運輸局をはじめ大阪運輸支局や大阪府警察本部、大阪タクシー協会、関西国際空港タクシー運営協議会、関西エアポートなどが参加しました。ビラを配布するなどの啓発活動は、関西国際空港以外にも京都や奈良でも実施されています。
白タクは違法行為ですが、中国人観光客には人気があるのが現実です。その理由は料金が格安というだけではありません。日本ではタクシーの送迎サービスを使うとき電話で依頼するのが一般的。これは何十年も前から進化しておらず、日本語を話せない外国人には大変不便です。
しかし中国をはじめとする世界各国では「配車アプリ」が人気。どの国にいってもいつも通りの感覚で気軽にタクシーの手配が可能です。配車アプリを使えばタクシーの手配や予約、料金の支払いまですべてスマートフォン1つで完了します。タクシー乗り場で行列に並んだり、流しタクシーが通る道まで移動したりといった面倒な手間を省けるのです。今日本でも配車アプリの開発が進んでおり、さまざまなタクシー会社が配車アプリの導入をすすめています。大切な乗客を白タクに奪われないため、そして安定した収入を得るためにも、タクシー運転手への就職・転職を考えている方は「アプリサービスを導入しているタクシー会社」を選んだほうが良いでしょう。
国土交通省の認可により、2019年10月から「事前確定運賃」によるタクシーの新しい運賃料金体系がスタートしました。事前確定運賃でタクシーに乗るには、アプリ注文が必須となります。
タクシー業界にこのような新しい改革が起きたのには、Uber(ウーバー)による影響という見方が強いようです。タクシー業界に懸念をもたらすことになったUberについて、詳しく紹介していきたいと思います。
Uberとは、スマホでタクシーを呼べるアプリのことです。2009年にアメリカのベンチャー企業として誕生し、現在では世界70カ国で利用されています。
2020年はコロナの影響により売上予想を撤回しているようですが、従来のガイダンスでは8兆円を超える総取扱高を予想していたようで、驚異的な飛躍ぶりが伺えます。
Uberを利用するには個人登録が必要で、名前や電話番号が必須となります。クレジットカード情報を登録しておけばアプリ決済ができ、降車もスムーズです。
車に乗りたいときにスマホで近くにいる車を呼び出して利用しますが、乗車する車のランクを選べたり、車が到着するまでの時間がリアルタイムで確認できたりと便利な機能が満載です。
ひとつ懸念されるのが「犯罪やトラブルに巻き込まれないか」という点ですが、ドライバーになるには事前審査があり、身分証や免許証の提示が必須となっています。利用者は乗車する際に、登録されている顔やナンバープレートなどの情報と一致しているかを確認することで、トラブルを回避できます。
Uberは少しずつ需要が増しているものの、利用客は外国人観光客がメインで、日本人にはそれほど浸透していません。Uberドライバーの数もさほど多くないので、流しのタクシーを捕まえた方が早いと考えるユーザーも多いようです。
これから法的な整備が整えば、さらなる普及が予想されますが、今の段階で稼げる感触を持っているタクシードライバーは多くはありません。Uberドライバーになるためには、タクシードライバーとして経験を積むのが賢い方法です。
帝産タクシー
祝い金
15万円
働き方
2車3人制
▶休みがとりやすい
ヤサカタクシー
祝い金
10万円
働き方
1車2人制
▶稼ぎやすい
エムケイタクシー
祝い金
12万円
働き方
昼勤/夜勤
▶生活リズムに合わせやすい