タクシー業界と言えば「就職先が見つからず仕方なくやっている人が多い」「拘束時間が長い」「過酷な労働環境で若者や女性が少ない」など、あまり良いイメージで語られることがありません。
タクシー業界のネガティブなイメージと実際のタクシー業界では、どのようなギャップがあるのか調査してみました。
タクシー運転手の収入と言えば「過酷な労働環境で安月給」「不景気の影響を真っ先に受けそう」など、散々なイメージを持たれているようです。これは、毎月決まった額の給与が支給される一般的な業種と異なり、売上に応じて給与が決まる「歩合制」を採用しているタクシー会社が業界に多いためでしょう。
一般社団法人 全国ハイヤー・タクシー連合会が発表した情報によると、平成30年6月度のタクシー運転手(男)の月間給与の平均は27万6,000円でした。この数字だけを見ると、まだまだほかの業種に比べて安月給であることは否めません。ただし、全国規模ではなく京都に限定すると話は変わってきます。
京都は全国で2番目にタクシー運転手の給与が高いエリア。京都のタクシー運転手(男)の平成30年度6月度の月間平均給与は322,600円、平均年齢は60.2歳でした。平均年齢を踏まえると、ほかの業種に引けを取らない高収入だと言えるでしょう。さらに、京都のタクシー運転手の年収は平成29年度の年間推計額より807,800円も増えているため、今後もますます増える可能性があります。
また、他業種の全国平均年収とタクシー運転手の全国平均年収を年齢別に比較してみました。
年齢/職業 | タクシー 運転手 |
営業用普通・ 小型貨物 自動車運転者 |
営業用バス 運転者 |
自家用乗用 自動車運転者 |
自家用貨物 自動車運転者 |
自動車整備工 |
---|---|---|---|---|---|---|
20~24歳 | 327.9万 | 275.3万 | 352.2万 | 224.0万 | 237.4万 | 225.4万 |
25~29歳 | 335.8万 | 295.9万 | 306.0万 | 240.5万 | 285.7万 | 264.0万 |
30~34歳 | 302.8万 | 316.1万 | 301.5万 | 285.9万 | 291.0万 | 299.2万 |
35~39歳 | 318.5万 | 329.4万 | 318.3万 | 277.3万 | 316.0万 | 327.9万 |
今回は車輌に携わる職種をピックアップしました。30代~40代になると年収300万円台の職種が増えますが、20代の頃から平均年収300円をオーバーしているのはタクシー運転手と営業用バス運転者くらい。コツコツ収入を増やしていくのもアリですが、タクシー運転手として20代のうちにがっつり稼いで、働き盛りの30代に独立して個人タクシーを始めるというのもひとつの手です。
「ブラック企業」「拘束時間が長く、過酷な労働環境」「歩合制で思ったより稼げなさそう」など、ネガティブなイメージが強いタクシー業界。なぜここまでタクシー業界のイメージが悪くなってしまったのでしょうか?
考えられる理由として一番有力なのは、2002年に行われた大幅な規制緩和の影響です。新規参入を目的として、タクシー運転手の運転認可が許可制から事前届制になり、タクシーに使用する車両は新車のみだったところ中古車でもOKに変わりました。新規参入は促進されて全国にタクシードライバーは増加。ドライバーの人数が増え過ぎた結果、タクシー1台あたりの売り上げが減少して、「稼げない」というイメージが根付いてしまったのでしょう。
2002年の規制緩和後、売り上げを取り戻すために無理な運転や交通マナーを無視するタクシー運転手が増え、全国的に交通事故の件数が増加。2009年には再び規制が行われ、タクシー運転手の運転認可は事前届制から許可制に戻りました。その結果、2008年のピーク時から現在にいたるまで、タクシー台数は全国で約30,000台減車。
つまり、タクシー業界は以前のような新規参入が難しい状態なのです。言い換えれば、これ以上ライバル業者が増えないということ。ビジネスとしてはとても恵まれた環境です。現在はどの業界もグローバル化して外国人労働者が増えていますが、タクシー業界は日本語をマスターして、日本の免許を取得し、地理試験に合格する必要があるため、外国人労働者にとって狭き門。将来的に仕事がなくなる可能性が低いのです。日本はこれからますます高齢化社会になり、タクシーの需要はさらに増えると考えられるため、将来を見越すとタクシー業界ほど安定した業界はないかもしれません。
タクシードライバーになるためには必要な事項を簡単にまとめています。
まずは興味のある求人を調べます。会社によって勤務体制や給与制度が異なりますので営業所の場所だけでなく、働き方・給与の条件などが自分に合うか確認してください。未経験であれば、あわせて研修制度もチェックしておきましょう。
タクシー運転手として働くには「第二種運転免許」が必要となります。第二種運転免許の取得条件は「第一種運転免許を取得後3年以上経過していること」です。普通免許を持っていて、日常的に車を運転している人であればスムーズに取得できるでしょう。ちなみに、第二種運転免許を持っていなくても、求人を出しているタクシー会社の中には第二種免許取得をサポートしてくれるところ会社も。資格取得の費用に関しては、会社が全額(または一部)負担してくれるところもあるので、事前に確認しておきましょう。
自分の希望に合いそうな会社を見つけて面接を受け、無事採用されたら新人ドライバー研修で基礎を学びます。また、電子マネーをはじめとする支払い機器の使い方、接客の技術などもあわせて学びます。都市部では地理試験を受けて、合格してから実務に移る会社もあるそうです。
観光タクシードライバーとは、観光名所を案内するタクシー運転手のことです。多くの観光客が訪れる観光地では、ドライバーが一定の水準で観光案内サービスを提供できるように認定試験を設けているところもあります。
観光客を乗せて観光地を案内するタクシードライバーですから、通常のタクシー運転手と違って観光地に関するあらゆる知識が必要となります。観光名所の歴史やそれに関するエピソード、周辺のグルメスポットなども知っておくとよりお客様に満足していただけるでしょう。運転スキルや地理把握に加え、「ホスピタリティ」が重要視されるのが観光タクシードライバーならではの特徴です。
ハイヤーとは、完全予約制の貸し切りの送迎車のことです。多くの場合タクシー会社と企業間で契約が結ばれており、会社の役員やVIPを送迎するために利用されます。ハイヤーはあらかじめ目的や走るルートが決まっているため、通常のタクシードライバーのように近道や抜け道を把握しておく必要はありません。ただし、VIPを送迎するお仕事になるため、過去に事故歴やトラブルがないドライバーが求められます。
会社の役員やVIPを送迎するハイヤードライバーに必要なのは「接客技術」です。事故歴がないことはもちろん、タクシードライバーの中でも粗相のない接客技術を持つ人が求められます。求人が出ている場合、正しい礼儀作法ができるドライバーが採用されるケースがほとんど。ハイヤードライバーになるには、まずドライバーとしての経験をしっかりと積み、接客スキルを磨いてから応募することをおすすめします。
個人タクシーとは、許可を受けた個人がお客様を乗せて対価としてお金をいただくタクシー事業のことです。通常のタクシー会社に勤務するのとは違い、1人でドライバー兼、事業者の役割も果たすのが個人タクシー運転手の凄いところ。各種手続きを自分で行う手間が発生しますが、自宅から直接営業に向かうことができ、営業で売り上げた利益はすべて自分の給料になるというメリットがあります。
個人タクシードライバーとして営業の許可を得るには、65歳未満で申請する必要があります。また第二種免許を取得後、法人タクシードライバーとして10年以上の勤務経験が必要です。個人タクシードライバーになるハードルはやや高めですが、勤務の融通が利き、売り上げもすべて自分のものになるので、将来タクシードライバーを続けていこうと考えている人では目指してみても良いでしょう。
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15万円
働き方
2車3人制
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1車2人制
▶稼ぎやすい
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